【プロジェクト課題】世界各国のデザインと運用ルールの差異が障害に
管理方法もデザインも各国独自に運用していたため統一感がなく、また各国・各地域によって
販売製品のジャンルや、カテゴリ、主力となる製品群が異なり、製品の販売やサポート体制も異なっている各国グローバルサイトを統一するために、3つの課題をクリアする必要があった。
[1] 各国の合意を取る
グローバルサイト統合を各国の担当者に理解してもらい、合意を取る必要がある。
[2] 各種ルールの統一のための体制
足並みをそろえて運用を行っていくための各国の学習フォローと、
現在実際に更新作業を行っている現地制作会社や代理店等への対応が必要となる。
[3] 各国のユーザニーズに対応できる運用
各国ごとにユーザのニーズが異なるため、販売製品やジャンル、カテゴリ、製品サポート等
掲載されている情報に違いがある。また各国のサイト増設の方法についても検討が必要となる。
【解決方法[1]】英語版プロトタイプサイトの構築が攻略のキー
直接のコミュニケーションが合意のためのポイント
各国独自でWebサイトを運用していた各担当者にとって、各市場の理解は本社よりも自分たち現地法人が
上であるという自負があるため、国によっては統合への抵抗がある程度予測できた。
そのためプロジェクトメンバーは各国に足を運び直接担当者への要望のヒアリングや市場調査を行い、
合意を取り付けてまわった。ブランド強化のためにクラリオン本社が主導するしかないことを強調し、
国によっては不安解消のために何度も繰り返しTV会議やメールでフォローを行うことで、
気になる点から少しずつ解決する形で説得を行った。
英語版プロトタイプサイト構築によるスムーズな合意形成
各国の担当者に理解をしてもらうため、CMS化する前に、まずシンガポールサイト(英語)を
プロトタイプサイトとして構築、公開。
プトロタイプサイトを検証することで各国の意見を吸い上げ、スムーズな合意形成を行った。
【解決方法[2]】各国のルールを統一するための地盤固めを実施
現地ウェブサイト制作会社や代理店にもプロジェクト参加を要請
各国でそれぞれ取引している制作会社は各国の担当者にとっては本社のWeb担当者よりも身近であり、
より信頼できるパートナーであるはず。そのため、このプロジェクトを実施することで
取引がなくなってしまうのではないかと危機感を持ってしまった場合、プロジェクトに対し口を挟まれてプロジェクト自体が紛糾してしまう恐れがあった。
そのため、そういった制作会社の方々にもプロジェクトに参加頂くよう、こちらから要請を行った。
CMS導入後、各国でトレーニングを実施
CMS導入後、足並みをそろえて運用を行うためにクラリオン用に開発されたCMSを用いて各国で
トレーニングを行った。
【解決方法[3]】厳格なルールの中に柔軟性を持たせた運用を実現
各国サイト間での運用フォロー体制
CMSを導入し、サイトの構造やデザインのルールを統一することで、例えば本社で作ったコンテンツを、
各国用にアレンジしてグローバルサイトに展開する、また更新ボリュームが多すぎて、更新対応が行えない国のサイトは本社が強制的にコンテンツを更新したりすることができるようにした。
サイトの増設について
各国サイトを増設するに辺り、サイトの設定をそのままコピーすることができるサイトコピー機能を備えたFatWire社の
Content Serverを導入することでサイトの増設の効率化を行った。
FatWire社のCMSに決めた理由としては他にも多言語対応や動的配信と静的配信が行えるなどが
挙げられる。
コンテンツの一元管理と自由度の高いページレイアウト
グローバルサイトの統合にあたり、CI統一を元にデザインやコンテンツ等、ある程度は固定化する必要があったが、
国によってサイトの規模、取扱製品やサポートが違うため、独自コンテンツが作成できるテンプレートも用意しておくなどの
工夫をした。
ただし、全てを自由にしてしまうと、ページによってデザインがまちまちになってしまい、せっかくグローバルサイトを統合
しても統一感のないサイトになってしまう可能性がある。そのためコンテンツをまとめるグループや製品群が
増減しても、最適に表示できるように検証を繰り返し、正確なアセット(情報編成単位)設計をおこない、その中で
「ブロックテンプレート」という独自の機能も設計・開発した。
また、各サイトで統一できるものは各サイトで、グローバルサイト全体で統一できるものはグローバルサイト全体で
コンテンツを管理し、出来る限りコンテンツを一元管理することで情報が一部だけ古い、更新し忘れる等を防ぐようにし、
ユーザに常に最新の情報を伝えられるようにした。
「ブロックテンプレート」 について
コンテンツを登録する際に、デザインガイドラインに準拠したレイアウトにしたい、けれどある程度自由にコンテンツの内容を表示したいと
なったときに発案されたのが「ブロックテンプレート」。
見出し、本文といったエレメントパーツ毎にテンプレートを作り、複数のテンプレートを組み合わせてページを作成できるようにした。
表示自体はデザインガイドラインに準拠するように作成されているため、デザインガイドラインに準拠した状態で自由度の高いコンテンツレイアウトを可能にした。
クラリオン株式会社様事例
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